院長あいさつ

建もの丸ごとリハビリから地域丸ごとリハビリへ
―「自宅で暮らす」を支えるために―

20231215-%e9%8d%9b%e6%9c%ac%e5%85%88%e7%94%9f%e5%86%99%e7%9c%9f コープリハビリテーション病院/老健あかね
管理者 鍛本真一郎

当院は2017年1月、水島臨海鉄道・水島駅前に新築移転しました。館内はコープリハビリテーション病院 (回復期リハビリテーション病棟、医療療養病棟)と老健あかね複合体です。移転当初からコンセプトは「建もの丸ごとリハビリ」です。

内容は急性期病院から患者様をお引き受けし2, 3ヵ月の専門的リハビリにより生活機能を回復させます。退院後は訪問・通所リハビリがバックアップし生活機能の悪化を予防します。その経過中に老健あかね短期集中リハビリを3ヵ月づつはさみ再び生活機能向上をはかります。これを「循環リハビリ」と呼んでいます。逆に医療的に在宅療養が難しい病気の患者様はコープリハビリテーション病院の医療療養病棟が対応します。

このモデルにした理由は「2035年問題」を迎えるからです。そのとき団塊の世代は全員85歳以上です。同時に団塊ジュニアも65歳以上になり高齢者人口はピークを迎えます。それより若い世代は先細りですから医療費・介護費を賄えなくなります。それが2035年なのです。

この近未来への医療・介護業界の対応はまだ2つです。急性期ベッド数の調整か介護の不動産事業化です。これで高齢者が安心し満足できる生活ができるのか答えはまだ見えません。

高齢者は複数の持病 (糖尿病、腎臓病、肺炎など)を抱えています。そこに脳卒中、心臓病、背骨や大腿骨の骨折など専門的リハビリが必要な病気が加わります。リハビリの目的は「生活機能」の回復と複数の持病に折り合いを付けさせることです。もし医者が関心のある病気だけ”治療可能性”を追求していたら高齢者はあっという間に寝たきりです。

私たちは「2035年問題」を「建もの丸ごとリハビリ」で迎えます。この建ものを使っていただく前から相談窓口の役目も担っています。なによりも人が孤立せず健やかに暮らす地域社会に貢献するためです。

差額の部屋代はいただいておりません。